• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

ゲノム編集技術を用いた免疫不全マイクロミニブタの創出

研究課題

研究課題/領域番号 18K12062
研究機関徳島大学

研究代表者

平田 真樹  徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 特任助教 (10815583)

研究分担者 音井 威重  徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 教授 (30311814)
谷原 史倫  徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 特任助教 (90754680)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードブタ / ゲノム編集 / 免疫不全
研究実績の概要

ブタは生理学的および解剖学にヒトに類似していることから、モデル動物として臓器移植、再生医療、医学的トレーニング、医療機器・医薬品開発など広く使用されている。ただし成豚時体重が100kgを超えるため、多くの研究機関における実験動物施設での取扱には高いハードルがある。本研究は、各研究機関に導入可能なマイクロミニサイズの免疫不全ブタの創出により、ブタを利用した幹細胞の治療効果評価系の導入を可能にすることを目指す。方法として、マイクロミニブタ由来の精子を体外受精に用い、さらにその体外受精卵においてゲノム編集によりのインターロイキン2受容体γ鎖(IL2RG)のノックアウトによる免疫不全化と、成長ホルモン受容体(GHR)をダブルノックアウトすることで超小型化免疫不全ブタを作出する。本年度は、in vitroにおいて2種類の標的遺伝子をブタ体外受精胚において同時にノックアウトする技術の確立を目指した。実際には、まず標的遺伝子であるIL2RGおよびGHRに対するgRNAをそれぞれ5種類設計した。エレクトロポレーションによりCas9タンパクとともに計10種類のgRNAをブタ体外受精胚導入し、7日間培養後に得られた胚盤胞における各標的遺伝子に対する変異導入率およびその効率について検討した。その結果、IL2RG、GHRそれぞれについて高い編集効率を示すgRNAを2種類ずつ得ることができた。次に、IL2RG/GHRダブルノックアウトにむけ、編集効率の高かったgRNAを同時に導入した場合に最も効率よくダブルノックアウトが得られる組み合わせおよびその条件についても解析を行った。その結果、IL2RG/GHR両遺伝子を同時に欠損する胚盤胞が得られることが確認できた。以上の技術に関する結果の一部について、第6回日本先進医工学ブタ研究会および日本ゲノム編集学会第3回大会において発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでに2種類の標的遺伝子のそれぞれについて5種類のgRNAを作製し、ブタ体外受精胚にCas9タンパクと導入した場合の変異導入率を検討した結果、双方の標的遺伝子について非常に高い効率で変異を導入可能なgRNAを2種類ずつ得ることができた。また、それらのgRNAを組み合わせ、2種類のgRNAを同時に導入することで2つの標的遺伝子がブタ体外受精胚において同時にノックアウト可能であることについても確認できた。

今後の研究の推進方策

超小型化免疫不全ブタ作出にむけ、体外受精にはマイクロミニブタ由来の精子を使用予定である。そのため、雄のマイクロミニブタより精液を採取後に体外受精を行い、その後の胚発生について検証し、最適な体外受精条件を確立する。また、IL2RG/GHRダブルノックアウトブタ作製に向け、より高い効率で2つの標的遺伝子を同時にノックアウト可能な導入条件等について検討を行う。さらに、マイクロミニブタ精子を用いて得た体外受精胚に対し、エレクトロポレーション法によりIL2RG/ GHR両ゲノム編集を行う。得られた胚を受胚メスに移植し、免疫不全マイクロミニブタ作出を目指す。

次年度使用額が生じた理由

2018年度、in ivtroにおいて非常に順調に効率のよいgRNAがえられたため、想定よりも使用額を抑えることができた。2019年度においては胚移植を予定しており、母豚の購入および飼育・維持に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ブタにおけるCrispr/Cas9システムを使用したゲノム編集効率化についての検討2018

    • 著者名/発表者名
      平田真樹、谷原史倫、Nhien Thi Nguyen、Zhao Namula、音井威重
    • 学会等名
      日本ゲノム編集学会第3回大会
  • [学会発表] ブタにおける成熟卵および1細胞期胚段階でのゲノム編集が胚盤胞の変異導入効率に及ぼす影響2018

    • 著者名/発表者名
      平田真樹、谷原史倫、Manita Wittayarat、Nhien Thi Nguyen、 Le Anh Quynh、Zhao Namula、新居雅宏、音井威重
    • 学会等名
      第6回日本先進医工学ブタ研究会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi