研究課題/領域番号 |
18K12064
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
花崎 和弘 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (30240790)
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研究分担者 |
藤本 新平 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00333576)
北川 博之 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (10403883)
藤澤 和音 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 助教 (20767991)
並川 努 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (50363289)
矢田部 智昭 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (60437720)
上村 直 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (80566191)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 人工臓器 / 人工膵臓 / 血糖管理 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、人工膵臓を活用することで、外科的糖尿病に対する低血糖発(70mg/dl以下)の無い厳格な周術期血糖管理法の開発応用を目指して、2群間の前向き比較試験を行うことである。両群とも、手術開始から術後集中治療部滞在終了までの期間(通常は1-2日間)、人工膵臓を用いた血糖管理および連続血糖測定を実施する。1群のサンプルサイズは、80例ずつとしている。最終目標登録症例数は、食道切除:20例、胃切除:80例、肝切除:40例、膵切除:20例の計160例とする。期間内の2018年から2020年までの3年間に症例登録を完了し、以下の3点を明らかにしたい。①外科的糖尿病に最適な周術期至適血糖濃度域の決定(本研究では目標血糖値を80-110mg/dlに設定したA群と110-140mg/dlに設定したB群の2群に分別され、疾患別・術式別にランダムに登録が行われる)、②外科的糖尿病増悪サイクルの糖毒性バイオマーカーの同定および糖毒性に対する人工膵臓による治療効果の判定、③医療経済効果(入院コストの削減など)も検証。本研究に対する学内の倫理委員会の承認が得られた2018年度、登録も推進した2019年度に引き続き2020年度の新規登録は順調に進み、2020年度の実質登録症例数は目標登録数を達成できた。登録症例数における糖毒性に関するバイオマーカーの測定も完了した。計画通りの目標登録数を達成したため、論文作成を行い、期間内に臨床試験を終了したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の解決すべき課題は、以下の3つである。①外科的糖尿病患者の手術成績向上のために最適な周術期血糖濃度域はどのくらいか?、②糖尿病の本態である糖毒性の分子機構 メカニズムや糖毒性バイオマーカーは何か?、③上記の未解決な学術的な問いを、前向き(prospective)比較試験および研究代表者らが開発した人工膵臓STG-55(日機装株式会社)を用いた周術期血糖管理法により明らかにしたい。解決すべき3つの課題に対し、これまでに以下の取り組みを行ってきた。①2018年度は本研究に対する学内の倫理委員会の承認を得た、その後2018年度・2019年度と症例登録を推進した。②2020年度の実質登録症例数は2018年度・2019年度同様に順調に進み、本前向き比較試験における目標登録数を安全かつ無事に100%確保できた、③また登録症例数における糖毒性に関するバイオマーカーの測定も実施できた。加えて本基盤研究に関連する人工膵臓療法および周術期血糖管理に関する論文化や学会発表(ほとんどweb)も実施することが出来たが、コロナ禍の影響により国際的な学術活動低下は否めなかった。以上の研究成果を踏まえて、本基盤研究の現在までの進捗状況はコロナ禍にも関わらず、おおむね順調に達成できたと判断しており、現在論文化に向けて、研究成果を解析中である。2021年度中に英語論文化を行い、できるだけ早期に本試験をまとめたい。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は研究開始初年度の2018年度や2年目の2019年度以上に臨床現場での研究における適切な対応と外科チーム医療が実践できた。その結果、最終研究年度に当たる2021年度に向けて予定通りの手術症例登録数を確保できた。2021年度中に研究結果の解析を行い、英語論文を完成し、本臨床試験を終了したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年は新型コロナウイルス感染症の影響により当初予定していた学会等が全て中止となり使用残額が発生した。
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