研究課題/領域番号 |
18K12066
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
多田 均 北海道科学大学, 薬学部, 教授 (10400491)
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研究分担者 |
戸上 紘平 北海道科学大学, 薬学部, 准教授 (20582357)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 肺線維症 / FRET / in vivo imaging / リポソーム |
研究実績の概要 |
2019年度は、肺線維症の病巣検出力を有するリポソーム製剤の開発を目的に、FGFレセプターへ親和性を有する短鎖ペプチドを修飾したリポソームを調製し、病巣への集積性をin vivo imaging及びex vivo imagingで評価した。ブレオマイシン誘発性肺線維症モデルマウスに、調製したペプチド修飾リポソーム製剤を肺投与したところ、病巣への集積性は認められたものの、肺内の正常と思われる部位にも僅かに集積することから、より選択性の高い製剤が必要であることが示された。現在、基幹となるリポソーム製剤の脂質組成と粒子径、表面電位の見直しと投与方法について、再考しているところである。また、リポソーム製剤のより正確な体内動態を評価しうるimaging技法を開発するため、Fluorescence Resonance Energy Transfer(FRET)現象に着目した。すなわち、蛍光物質であるDiR (acceptor)及びDiD (donor)の二物質で標識したリポソーム製剤をマウスに静脈内投与または肺投与後、in vivo imagerを用いて蛍光観察した。その結果、従来の単一物質で標識したリポソーム製剤のin vivo imagingでは滞留性が認められた製剤であっても、リポソームの形態は保たれていない場合があることが示された。現在のところ、これまでに調製してきたリポソーム製剤について、選択的な集積性と、リポソームとしての生体内の安定性についてさらなる改善を進めると共に、マウスを用いたin vivo imagingでその機能の評価を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
完全に満足いく製剤開発には至っていないものの、評価系、技法の確立や知見の集積は十分行えている。
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今後の研究の推進方策 |
計画書に記載した予定通り、2020年度は病巣検出力に優れた製剤開発を目標に、肺線維症モデルマウスを用いて製剤の最適化を繰り返し行っていく予定である。
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