研究課題/領域番号 |
18K12070
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
松村 健太 富山大学, 学術研究部医学系, 特命助教 (30510383)
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研究分担者 |
山越 健弘 福岡工業大学, 情報工学部, 准教授 (70444205) [辞退]
加藤 祐次 北海道大学, 情報科学研究院, 助教 (50261582)
任田 崇吾 石川工業高等専門学校, 電子情報工学科, 助教 (50847382)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 光電式容積脈波 / 心拍数 / 脈拍数 / 生体センサー / 体動アーチファクト |
研究実績の概要 |
今年度は、専用基板の設計および実装を行った。昨年までのブレッドボード回路と比べてノイズが減少し、さらに安定して測定できるようになった。ただし、光量調整用の可変抵抗の選択が難しく(用いるLEDの特性とPDの特性、さらに、生体側の散乱吸収係数の掛け合わせにより、基準となる値が大幅に変化するため)、ここをどうするかという点が未だ課題として残されている。 ブレッドボード回路を用いて測定した12人分の実験データの解析を進めた。ここでは、指に付けたセンサーを被験者自らが手の平ごと振ることで、水平アーチファクト(平均6.71 Hz, 21.0 G)、垂直アーチファクト(平均6.64 Hz, 24.2 G)、安静状態(周期測定不可能, 0.1 G以下)の3条件(各18秒)を作りだし、この状態で、反射型青色(470 nm)、緑色(525 nm)、赤色(660 nm)、近赤外光(810 nm)脈波と、透過型赤色(660 nm)、近赤外光(810 nm)脈波、および、基準となる心電図を同時測定した。その上で、周波数解析を用い、各脈波における心拍由来のパワーを信号、体動由来のパワーをノイズとして、S/N比を算出した。また、各脈波波形を用いて脈拍数も算出した。 その結果、反射型青色脈波、反射型緑色脈波のS/N比は透過型赤色脈波と比べて8 dB高く、その上、算出した脈拍数は心拍数(心電図)と比較して固定バイアス、比例バイアス共に認められず、両者の相関はそれぞれ0.993, 0.986であった。続いて、反射型近赤外光脈波は透過型赤色脈波と比べて4dB高く、その上、算出した脈拍数は心拍数(心電図)と比較して固定バイアス、比例バイアス共に認められず、両者の相関は0.967であった。 これらの結果より、反射型青色、反射型緑色、反射型近赤外光脈波の体動アーチファクト耐性が高いと結論づけられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの全国的な流行により、実験を進めることが難しかったため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの流行が下火になっている期間に集中して実験できるよう、準備を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)一昨年度までに生じていた研究計画の若干の遅れを昨年度に取り返す予定でいたが、新型コロナウイルスの影響により、研究者間での相互連携と実験実施計画の遂行が思うように進まなかった。これにより次年度使用額が生じた。 (使用計画)ウイルス流行の波間を縫って集中的に実験できるよう、準備を進めている。これにより今年度中の完遂を目指す。
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