本研究では、ナノ粒子を利用してがん組織周辺にネットワーク構造を形成させることでがん組織の機能を物理的に阻害する方法について検討した。生体内でネットワーク構造を形成させるためには、外部刺激に応答して安定な架橋構造を形成させる必要があることから、温度に応答して化学反応の進行を制御可能なナノ粒子型のゲル化剤について開発した。開発した粒子は、温度上昇または降下に応答した粒子の構造変化で官能基を露出させることで、官能基間のカップリング反応の進行を制御できゲル化を促進できる。本研究では、細胞組織に対するゲル化の実現までには至らなかったが、血管内部に適用する生体塞栓剤としての応用が期待できる結果を得た。
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