現在、がん治療の領域では、細胞毒性をもつ化学療法剤による古典的化学療法から、がん細胞特異的な分子標的薬や免疫系を活性化する免疫チェックポイント阻害剤(ICPI)による治療法へと急速な方向転換が始まっています。特にがん免疫療法は、がん患者さんが本来持つ身体の機能をアップさせてがんと戦う治療法であり、有効性が高く副作用が弱い治療法として大変期待されています。ノーベル賞を受賞した本庶佑博士の開発したICPIのオプジーボをはじめ、有効な薬剤の多くが大変高価な抗体医薬です。本研究の成果は、免疫系を活性化するより安価な小分子化合物の開発・臨床応用に道を拓くもので、がん免疫療法の新しい流れに資するものです。
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