すでに作成した、深層学習を用いた時間差分処理によるCT画像からの骨転移検出・強調表示アルゴリズムの性能、実用性を評価するため、筑波大学附属病院放射線科 星合壮大氏らにより同病院での症例を用いて読影実験による検証をしていただいた。その結果は"DEvelopment of temporal subtraction CT images using deep learning to detect vertebral bone metastases"の題で2021年日本医学放射線学会で発表された。そこでは79.8%の椎骨骨転移が時間差分CTにおいて画質excellentとして描出された。また、11名の放射線科医(専門医6名、後期研修医5名)で80の症例を用いた読影実験が行われ、提案する時間差分CTを用いた場合のreceiver operating characteristic (ROC) curveの改善が確認された。この学会発表を発展させた英文論文投稿を準備中である。 ほかに(骨領域への応用が期待される)医用画像の異常検知に関する研究を続けており、研究協力者である柴田寿一氏、中尾貴祐氏らとともに複数の論文が英文論文誌に掲載もしくは投稿中である。とくにinvertible DNNの一種であるGlowを用いた異常検知を精力的に研究しており、これから骨領域にも適用する予定である。これにより時間差分ではない、1回の検査のみで完結する骨領域の異常検知が可能となる予定である。
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