研究課題/領域番号 |
18K12102
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
原 武史 岐阜大学, 工学部, 教授 (10283285)
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研究分担者 |
山田 哲 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (80419407)
片渕 哲朗 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 教授 (00393231)
松迫 正樹 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 医長 (90209528)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | PET/CT / 異常検知 |
研究実績の概要 |
PET画像は悪性腫瘍の発見や全身転移の検出に有用であるものの,現在は特定の部位の腫瘍に対する自動認識手法のみが行われている.そこで本研究では,PET/CT画像における統計学的画像解析法を用いた体幹部の腫瘍の自動検出システムの開発し,有効な特徴量の抽出を試みた. 自動検出法は,PET画像とCT画像の2つの画像を用いて行う.そのために,PET画像に解剖学的情報を付加するためにCT画像から人体領域画像を作成した.その際に頭部、腕部、脚部領域は削除した.Graph Cut を用いて臓器領域画像を作成した.次に,変形するためのLandmark(LM)を設置し,このLMを利用して解剖学的標準化を行った.標準化した正常症例から,平均画像と標準偏差画像を作成し,対象画像と比較してZ-scoreを算出した.最後に,Z-score画像とSUV画像から悪性腫瘍の初期領域を抽出した.その後,CNNを用いてTPとFPを分類し,FPと分類されたラベルを削除した. このような異常領域を元に,AutoEncoder型ニューラルネットワークとGANによる画像生成アルゴリズムを用いた異常検知法の開発も行なった.特にAutoEncoder型ニューラルネットワークにおいては,正常領域と異常領域の特徴量の抽出を行い,そのクラスタリングを行った.これは,Decoderによって特徴量から異常画像と正常像が生成できる可能性と,GANの入力にその特徴量を用いることで,さらに精密な異常画像と正常画像が生成できる可能性があるからである. 実験の結果,AutoEncoder型ネットワークより,GANによる画像生成が有益であった.しかし,3次元的な連続性をもった画像生成は実現できていない.また,生成した2次元正常画像によって異常検知手法を試作した結果,検出率が72.0%のとき,1症例あたりの偽陽性数が32.8個となった. 以上から,特徴量の抽出の実現と,擬似正常例による異常検知法の基礎的な技術が実現できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの状況により,共同研究者との打ち合わせと精度の確認に遅れが目立った.
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今後の研究の推進方策 |
共同研究者との綿密な打ち合わせを実施し,また,遅れている症例の確認(異常部位,正常部位の判定)を進め,精度評価を適切に行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響によって,共同研究先の医師の活動が大きく制限され,研究打ち合わせ/学会発表/観察者実験が実施できなかった場合が多かったため.
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