フォトニックDNAナノマシーンを利用した超低侵襲ドラッグサージェリーシステムの試作を行い,システムの特性や性能を評価する基盤技術の確立を目指している。 フォトニックDNAナノマシーンを患部へ的確に噴霧するため,フォトニックDNAナノマシーンのリポソームへの実装方法の確立を目指した。今年度は、フォトニックDNAナノマシーン含有リポソームを設計・試作を行い、最適なパターンのもととなる基板のパターンを設計し,フォトニックDNAナノマシーンが含有できるスペースの形や大きさなどを検討した。リポソームは液滴による生成法を利用し、DNAナノマシーンを含む内包液と外溶液を分離することで内包に成功した。また、リポソームの大きさを安定させるため、内包する液滴の圧力や遠心分離時における回転数の最適化を図った。これにより安定したリポソームを作成でき、その内にフォトニックDNAナノマシーンを含有することに成功した。 一方で、光ピンセットを活用するシステムを構築し、リポソームを自由に扱う技術の確立を行った。光ピンセットで作成したDNAナノマシーン含有リポソームの操作を確認し、安定的に操作できる環境について調査した。本技術の確立により、レーザー光をフォトニックDNAナノマシーンが含有されたリポソームに直接照射できる技術を確立することができ、今後波長の異なるレーザーを照射することにより、DNAナノマシーン含有リポソームを選択的に破壊し、術部の患部に直接DNAナノマシーンを塗布することができる技術の確立ができた。
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