癌やリウマチは新生血管の発生により悪化する.本研究では超音波凝固切開装置を細く柔軟にすることで,新生血管を攻撃するデバイスの開発を目指した.研究では超音波振動による発熱をシミュレートする解析法を開発し,血管攻撃に有効な特殊な振動モードを発見した.発見したモードを逆位相振動と名付け試作機を開発し,直径1mm以下への細径化に成功.一般的にデバイスの柔軟化は治療効果の減少を招くが,開発した試作機は接触や曲げに強く柔軟化による出力低下を改善できる可能性が示された.一方,新生血管の除去性能を評価するために凝固性能評価法を開発し,逆位相振動モードを有する超音波メスは凝固性能が向上する結果が得られた.
|