研究実績の概要 |
本年度は、マイクロ波エネルギーを精密制御でき、電場・磁場成分を分離して照射可能な空洞共振器の開発を行った。発振器には、2.45GHz半導体発振器(AMIL-HMW50-01S1, 照射電力0-50 W, 株式会社アミル)を用いた。加熱共振器は、WRJ2-N型同軸導波管変換器に接続されたWRJ-2型導波管を使用し、終端はムービングショートにより導波管長さを調節可能とした。導波管上部にはペルチェを設置し、導波管内の温度調節ができる。また、導波管はテフロン(polytetrafluoroethylene, PTFE)で覆われ、保温機能を有する。その中央部にサンプル設置場所があり、その中心部にある放射温度計にてサンプル温度を測定可能である。また、ペルチェに接続された温度調節器により、放射温度計の目的温度に合わせてペルチェの温冷を制御できる。更に、入射波及び反射波の印加出力は、デジタルマルチメーターを、温度はデータロガーを用いてモニター可能とした。 上記装置において、共振周波数が2.45GHzにて最大になる導波管長の設定を行った。具体的には、ネットワークアナライザー(N5242A, アジレント・テクノロジー株式会社)を用いてSパラメータ(S11)の測定を行った。サンプルとして、2.5 mLの超純水及び培地と同様の誘電特性を有するRPMI 1640を35 mmシャーレ内に入れ、S11測定により共振周波数が2.45GHzとなるよう共振器の長さを調整した。その結果、共振器の長さが262.0 mmのとき共振周波数が2.45GHzとなった。 本装置は、産業技術総合研究所との共同研究として、株式会社アリオス、株式会社アミル及び株式会社クマガイRFアプリケーションズの協力の下、製作した。
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