研究課題/領域番号 |
18K12124
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
山口 充孝 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 主幹研究員(定常) (10375404)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 粒子線がん治療 / ビームイメージング / 制動輻射 / 減弱補正 |
研究実績の概要 |
モンテカルロシミュレーションにより、ピンホール型X線カメラによる減弱補正情報取得の実現可能性および減弱補正手順の検討を行った。さらに、パラレルホールコリメータ型X線カメラの採用について、モンテカルロシミュレーションを通して検討し、空間分解能、感度、バックグラウンドイベントの割合、および、減弱補正情報の取得可能性について評価を行った。計算速度高速化のため二次電子制動輻射をソースとしたシミュレーションには独自に作成したユーザー定義ソースプログラムを使用しており、今回、このプログラムについて、PHITSの最新バージョン(3.10)にて可能となるよう修正を行った。 本研究では二次電子制動輻射によるイベントとバックグラウンドによるイベントを別個に計算しており、今回は前者についてのシミュレーションを実施した。ピンホール型X線カメラのシミュレーションについては、計算量が多くなるため JAEAの大型計算機を利用した。 同程度の空間分解能を得られる条件でピンホール型とパラレルホール型とで実現可能な感度を比較した結果、パラレルホール型はピンホール型のおおよそ100倍程度の高い感度が得られる事を確認した。現在、ピンホール型とパラレルホール型の両者について、バックグラウンドイベントのシミュレーションおよび減弱補正への影響の評価のための準備を進めている。次年度はシミュレーションで得られた結果を基にして、コリメータ形状を決定し、X線カメラの構築と照射実験の準備を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通りにシミュレーションスタディが進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
シミュレーションで得られた結果を基にコリメータ形状を決定し、X線カメラの構築と照射実験の準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験装置であるX線カメラの最終検討に若干時間を要しており、これにより装置部材の購入が遅れ、当該未使用額が生じた。次年度は、X線カメラの構築に必要なコリメータ等の部材の購入に充当する。
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