研究課題
(1)ウェアラブル血行動態モニターの基礎開発を行った。①低ストレスなウェアラブル血圧計の開発:在宅でも一般的に使用されるカフ式血圧計は、カフ圧を収縮期血圧まで上昇させて上腕動脈の血流を一旦途絶しなければならないため患者に負担となり、特に24時間自由行動下血圧計測(ABPM)では問題であった。この問題点を、今回のウェアラブルモニター開発において克服した。カフ圧上昇を拡張期血圧以下にとどめながら、正確に収縮期・拡張期血圧が推定可能な画期的血圧計を開発した。開発した血圧計は、特殊な3層構造カフを用い、カフ圧と同時に上腕動脈における脈波伝搬速度を計測することで血圧を推定する(特願2020-173552 2020年10月14日出願)。動物実験でその有効性を確認した。②機械学習を応用した、心拍出量モニターの開発:ウェアラブル血行動態モニターにおいて血圧測定と同時に、心拍出量のモニターも望まれる。①で開発したウェアラブル血圧計で得られる上腕動脈の脈波解析から、心拍出量推定することを企図している。その予備研究として上腕動脈血圧波形と経食道心エコーによる大動脈血流の機械学習解析から、心拍出量を正確に推定する方法を開発した。麻酔下犬12頭を用いた動物実験で、心拍出量を大きく変化させた際、今回開発した機械学習心拍出量モニターは、従来法より正確に心拍出量を推定することに成功した。この機械学習推定法をさらに進化させ、ウェアラブル血圧計による心拍出量の同時モニター法を開発していく方針である。(2)急性期心疾患におけるベータ遮断薬自動投与システムの開発を行った。急性心筋梗塞や急性心不全における循環管理において循環破綻リスクを回避しながら、ベータ遮断薬による心拍数低下と心筋酸素消費量低下を可能にする、ベータ遮断薬自動投与システムの開発を行い、動物実験でその性能評価を行った。
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