研究課題/領域番号 |
18K12132
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山本 郁夫 長崎大学, 海洋未来イノベーション機構, 教授 (10392953)
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研究分担者 |
盛永 明啓 長崎大学, 工学研究科, 助教 (20781008)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 腹腔鏡 / 医療デバイス / 筋芽細胞シート / 細胞シートデリバリーデバイス |
研究実績の概要 |
昨年度、腹腔鏡下において筋芽細胞シートを十二指腸外壁に張り付ける医療デバイスとして、磁性流体及び空気圧を利用したデバイスを設計、試作した。磁性流体を用いたデバイスは機能有効性は確認できたが試験時に磁性流体の漏れと油の滲みが確認されたため、対策防止用の素材調査を行っている。空気圧を用いたデバイスについては、手術で使用する腹腔鏡12mmポートを通る機構を保持しながら、昨年度生じた空気漏れ問題解決のためにアウターインナーパイプ間のゴムシート装着による改良、フットペダルによる空気圧調節と操作性向上機能の作成を行った。また、デジタルレギュレータによる空気圧数値確認機能とハンドル部分作成による片手操作機能とを加え、運用性を大幅に向上させた。実際に培養された細胞シートを用いた実験にて4回の試行を行い、細胞シートを全て指定の位置に容易に移植することができた。 本研究の成果はICBED国際学会、日本機械学会にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
腹腔鏡12mmポートを通り、筋芽細胞シートを張り付けることができる医療デバイスを開発し、実際に培養された細胞シートを用いた実験にて、デバイス内への細胞シートの収納、ポート通過、貼り付け、リリースの一連の移植作業に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
今回の試行結果のフィードバックをもとに、先端部空気孔の圧力が小さいことがわかったためデバイス先端部機構の改良を行い実験を行う。また、医療用デバイス素材の調査と適用をさらに進める。有用な研究結果が得られたので学会等で成果の公表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度、研究に必要な物品等が安く入手できたこと、及び、コロナウイルスによる新型肺炎の影響で学会や調査が中止及び延期されたことにより、使用額が予算を下回ったが、次年度以降の実験に予定している器具、部品の調達と学会発表、技術調査に次年度使用分を充当する予定である。
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