研究課題
関節炎による慢性疼痛の治療としては保存的治療、手術療法などが従来から行われているが、保存的治療に抵抗性を示す慢性疼痛を持つ関節炎患者に対してカテーテルによる血管塞栓術(運動器カテーテル塞栓術)の有用性が報告されるようになっている。医療コストの低減が望める治療であることや、処置後の回復の早さなどから、社会経済的にも本治療への期待は非常に大きいものがあるものの、個々の症例において治療効果を予見することはできなかった。本研究の目的は、磁気共鳴画像(MRI)によるpHイメージング(amine/amide concentration-independent detection:AACID)に基づいて、関節炎による慢性疼痛に対する運動器カテーテル塞栓術の治療効果を予測する方法を確立することである。AACID imagingのパルスシーケンスの開発・最適化、2)AACID imagingの解析法の開発を行った。APTとpHおよびAACIDとpHの直線性と相関を検討し、異なる蛋白濃度、pHにおけるAPTおよびAACIDの関係性について評価し、異なる蛋白濃度でもAPTとpHの相関性をみとめ、AACIDとpHにも相関がみとめられた。異なる蛋白濃度ではAPTは有意差をみとめていたが、AACIDでは異なる蛋白濃度でも有意差はみとめられず、AACIDの有用性がしめされた。これより、AACIDによるpHイメージングは生体内の蛋白濃度の違いによるAPT信号の不安定さを抑え、生体内pHを評価できる可能性があると思われた。
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