尿路感染症は発生件数が多く,死に至ることもある油断できない感染症で,その原因の80%以上が尿道カテーテルの留置によるものである。これまで,留置期間中は感染症を防ぐための殺菌は行われてこなかった。これは感染症の起因菌が膀胱内部と尿道カテーテルの内壁に存在しているためで,外部からの殺菌は意味がないためである。本研究ではUVC-LEDを光源とする留置尿道カテーテル用の紫外線殺菌装置を作成し,その装置が感染症の起因菌を短時間(大腸菌で8秒)で殺菌可能であることを示した。また,研究期間内に装置の改良,評価を繰り返し,臨床試験にスムーズに移行できるレベルの装置に近づけた。
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