研究課題/領域番号 |
18K12162
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
目谷 浩通 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30330583)
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研究分担者 |
椿原 彰夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10138117) [辞退]
平岡 崇 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (20351926)
花山 耕三 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80189589)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 動作時痙縮 / 短下肢装具 / 脳卒中 |
研究実績の概要 |
脳卒中片麻痺患者でよくみられる後遺障害の一つである痙縮は、歩行障害や日常生活動作障害を引き起こす。これらの障害に対する日常生活補助に装具が頻繁に用いられる。装具の選択は、患者個々の残存機能にもよるが、特に足関節の痙縮は歩行や日常生活動作能力に強い影響を与えるため、短下肢装具(足部と下腿をつなぎ固定する)がよく用いられる。短下肢装具は歩行能力に応じて足関節部の形状を変えることが多い。このため足関節の残存機能を評価することは、装具の選択に非常に重要となる。 近年脳卒中片麻痺患者の歩行能力や歩容改善を目的に、装具と並行して痙縮筋にボツリヌス毒素を投与し、痙縮を低下させる治療が盛んにおこなわれるようになってきた。痙縮の軽減は、運動機能を維持・改善させ、寝たきりの予防につながるだけでなく、障害者のQuality of Lifeの向上につながる。痙縮は安静時と動作時でその程度が異なる。安静時の痙縮の評価にはmodify Ashwarth Scale(以下MAS)が用いられているが順序尺度であり、検者によりばらつきが出やすい。また動作時の痙縮筋に対するボツリヌス毒素治療効果の判定には、「歩行がしやすくなったか?」などを問う主観的な評価やビデオ撮影による可視化に頼ることが多く、その効果や適応判定は客観性に欠けることがある。 Magnetorheological 流体ダンパ掲載短下肢装具(以下MR brace)(橋本義肢制作株式会社)は、bluetoothを通じて足関節角度や足関節部の角速度などを、経時的に解析できる装具である。 健常成人及び脳卒中片麻痺患者を対象に、MR braceを用いて、動作時の痙縮を数値化することができるかを検討することが、本研究の目的である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、健常人4名の計測を行った。各被験者に適合したMR braceを作成し、それを装着させたうえで立ち上がり、歩行時などのデータを取得した。現在脳卒中患者1名から研究参加の同意を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は健常人3名のデータ収集および脳卒中患者10~15名程度のデータ収集を予定している。同時に得たデータを解析し、健常者と脳卒中患者における、動作時痙縮の傾向を見出す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
被験者に対する装具の作成、データ収集、学会発表、論文作成、その他研究に必要な備品作成
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