研究課題/領域番号 |
18K12171
|
研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
北島 栄二 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 教授 (10513468)
|
研究分担者 |
東 登志夫 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (40244090)
東 祐二 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 障害工学研究部, 研究部長 (40531322)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 歩行補助具 / シルバーカー / 歩行車 / 高齢者 / 活動量 |
研究実績の概要 |
研究計画について,より確実で妥当な研究結果を得ることを目的に,計画内容の確認ならびに見直しを行った.その実施にあたり,共同研究者である東登志夫(長崎大学・ 医歯薬学総合研究科( 保健学科)・教授),東祐二(国立障害者リハビリテーションセンター研究所部長)の両氏から多くのアドバイスを得た.確認ならびに見直した事項は,①活動量計測機器の選定,②クロスオーバー試験(※1)の手続き,③分析方法の3つである.①については,購入予定の計測機器「HJA-750C(オムロン)」の選定理由の確認と装着方法の検討を行った.当該機器の装着方法は,装着ホルダに取り付けて腰へ装着式である。②については,測定エラーを最小限にとどめる研究デザイン(※2)の検討と,季節バイアス(※3)に対する配慮の確認を行った.③については,研究デザインの再考に伴う分析方法の検討を行った.確認ならびに見直しの結果は,【現在までの進捗状況】【今後の研究の推進方策】に記載したとおりである. ※1クロスオーバー試験とは,対象を2群に分け,各群に別々の治療を行い評価した後に,各群の治療法を交換して再度評価する方法である. ※2 研究デザインとは,研究を計画するにあたり,対象や介入方法,評価・測定方法,評価期間などを決めるための,様々な研究の種類である. ※3 (測定)バイアスとは、調査すべき変数に関して、対象者を不正確に測定(または分類)することによる系統的な誤差である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①活動量計測機器の選定;選定理由は,データ取り込みがNFC方式で容易であり,施設職員の計測協力を得やすいためである.また,本体の電池寿命は約二カ月であり,計測開始からデータ回収までに十分な性能である.高齢者の特性を踏まえると,腕バンド式よりも計測に適切と考える. ②クロスオーバー試験の手続き;クロスオーバー試験を再考すべきである.理由は,ウォッシュアウトの期間設定に関する先行研究が見当たらず,持ち越し効果排除の妥当性が問われるため.現段階では,並行群間比較試験(AA’B,ABA’)が妥当と判断する.なお,季節バイアス(梅雨,夏,冬)への配慮は,屋外での計測が厳しい季節を避け,活動的な 3-5 月と 9-11月に限定して計測する.分析時間帯は,活動的な時間帯である 10: 00-12: 00 と 14:00-16:00 に設定.計測開始時期が異なるデータは,研究デザインに影響なしと判断する.
|
今後の研究の推進方策 |
①活動量計測機器の選定;まずは,小規模なプレ身体活動量計測で装着のしやすさを確認すべきである. ②クロスオーバー試験の手続き;デザインの変更を決定.ウェイティングリスト・コントロール・デザインの検討と,CONSORTチェックリストに従い設計を行うことも必要である.試験開始前に,シルバーカー・歩行車の特長把握を目的とし,小規模な身体機能計測を組み入れることが望ましい.用具特長と活動量を把握する,横断・介入研究の二段構え調査とする.サンプルサイズ決定は,G パワーを活用する. ③分析方法;研究デザイン変更に伴い,repeated measures ANOVA(反復測定分散分析)が適応できるかを確認.
|
次年度使用額が生じた理由 |
【次年度使用額が生じた理由】 初年度には活動量測定に必要な活動量計( HJA-750C Active style Pro, 単価20千円× 50個)を計上していた.しかし,測定エラーを最小限にとどめる研究デザインの検討など,研究計画について内容の確認ならびに見直しを行った.次年度使用額が生じた理由は,測定機器購入を猶予したためである. 【使用計画】 慎重な検討の結果,より適した研究デザインの立案が行えた.このため,未使用額は本来予定していた測定機器購入に充てたい.
|