研究課題/領域番号 |
18K12176
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
柿並 良佑 山形大学, 人文社会科学部, 講師 (40706602)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ヨーロッパ現代思想 / 哲学 / 共同体 / 情動 |
研究実績の概要 |
研究の初年度は基礎的な文献収集・読解に主眼を置いており、計画どおり夏季にフランス・パリの国立図書館で調査を行った。成果発表の機会は当初の予定よりも多く、年度内に2度、海外での発表を行った(カナダ・モントリオールでの国際学会Derrida Today、およびイギリス・オックスフォードでの国際学会Thinking with Jean-Luc Nanc)。いずれも国際的な研究者ネットワーク構築にあたって大いに有益な場となり、今後の研究へのフィードバックが期待できる。特にモントリオールでは情動と特異性、両概念の関係性についてテストラン的に、大まかな見取り図をフランス語で発表、オックスフォードではそれらが世俗化時代の「信」と取り結ぶ関係について示唆を提示、出席した研究者からのレスポンスを得た。 後者の学会ではゲスト講演後の質疑応答の際にレオ・ベルサーニの著作をめぐる議論がなされるなど、本研究計画とも密接な関わりがあった一方、情動概念をめぐっては精神分析系の議論とスピノザ経由の哲学的議論の関係が十分に吟味されていないようでもあった。本研究の今後の課題を再確認できる機会であったと言える。 他方、国内で行った発表の一つとしてジャン=リュック・ナンシーとミシェル・アンリという二人の哲学者の思想的連関を問う機会があった。この点についても、現時点ではまだ示唆的な段階にとどまっているため、次年度以降、深化に努めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
概要に記したとおり、年度内に2度、海外での発表を行うことができた(モントリオールでの国際学会Derrida Today、およびオックスフォードでの国際学会Thinking with Jean-Luc Nancy)。また国内学会では二つ、指名・招待を受けての発表を行った(日本ミシェル・アンリ哲学会、日本シェリング協会)。予定したよりも多くのアウトプットを行う年度となった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度十分に時間を割けなかった基礎文献の読解にあらためて力を入れる。また今年度の口頭発表の成果を次年度は論文などで活字化する方向で研究を推進する。並行して最終年度に予定されている国際学会(Derrida Today)などのプロポーザルにもつながるトピックスを準備する。
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