研究課題
若手研究
本研究では現代フランス哲学研究から出発して、主として英語圏で生じた「情動論的転回(Affective Turn)」を承け、今日の人文科学・社会科学の諸分野で「情動」概念の領域横断的研究を行った。文学・メディア論・政治思想等々の分野にまたがるシンポジウムならびに継続的な研究会を組織し、各領域での最新の知見を共有することにより、領域横断的な議論の土台を整備することを目指した。その成果は論集の形で出版することが決定しており、研究者のみならず関心を持つ読者層に向けて広く公開される。
現代フランス哲学
本研究は人文・社会科学の諸分野で、ときに散発的に、ときに部分的に連動してなされてきた情動研究に哲学的基盤を与えることを目指したものであった。その結果は上に言及した論集の、とりわけ「理論編」において提示されている。ヨーロッパ思想史に継起した情動ないし感情をめぐる思想を辿る作業と当時に、今日的状況が要請する新たな「情動」研究への視点を確保することは、例えばインターネット上を通じて我々の行動を鼓舞し、幻惑する微細な社会的要素の分析へと、学術的営為を開くことにつながる。