本研究では、データと世界との界面に位置する「データのモデル」と呼ばれるものについて、科学的表象や科学的実在論論争の観点から分析を行った。研究を進める中で当初の計画を変更し、主にデータ同化の分析、および深層学習技術の科学的実在論論争への含意の分析を行った。データ同化については、ウィンタースクールへの参加やシンポジウムの開催を通し、基礎的な知識や研究実践に関する情報収集を行うとともに、今後の検討の指針となる知見を得た。深層学習については、従来の実在論と反実在論との論争構造への影響はあまりないものの、科学的理解と実在論との関連について興味深い事例を提供しうるという知見を得、論文としてまとめた。
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