本研究では、今日の教育において要請される「主体的・対話的な学び」を実現していくために哲学がどのような理論や実践方法を提供しうるかという問題意識の下、①現代のP4C、西洋哲学史(ヘーゲル、ローマン、プラグマティズム、メルロ=ポンティ、ブルーメンベルク、ウリ、アド等)の各思想から特に主体性と対話に関わる議論を取り上げ、対話を通じた主体の変容の有り様をさまざまな角度から考察した。さらに、②小・中・高等学校、大学、地域と連携して哲学対話を実践し、フィールドで得られた具体的内容を①の文献研究とも照らし合わせた上で、〈対話の哲学〉を構築するにあたって必要となるコレクティフ概念の分析をおこなった。
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