研究課題/領域番号 |
18K12184
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山森 裕毅 大阪大学, COデザインセンター, 特任講師(常勤) (00648454)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | フェリックス・ガタリ / スキゾ分析 / 制度分析 / 制度精神療法 / 精神分析 / 哲学プラクティス / 当事者研究 / 記号論 |
研究実績の概要 |
2020年度はコロナ感染の世界的な流行のため、国内外の出張(学会発表やフィールド調査)を実施することができなかったが、その分の時間で、これまで集めていたが目を通せていなかった資料を精読し、またこれまで発表した研究を精査し直すことができた。本研究の目的のひとつに研究成果としての著作の出版があるが、それに向けて大きく前進することができた。とりわけ20年度は反精神医学について調べることに時間を費やすことができた。以上から2021年度に初稿を完成させ、出版社と交渉する目途がついた。 実績としては著書(共著)として『メンタルヘルスの理解のために』、2020年8月、ミネルヴァ書房を公刊。この著作の第9章を担当した。この著作は京都大学で行われている授業の教科書として使われている。 リポートとして「当事者どうしの対話活動を学ぶ:横断術「社会と臨床」授業報告」(共著)を、エッセイとして「ことばの選択、あるいは洗濯」をともに大阪大学COデザインセンターの紀要である『Co*Design』に寄稿した。 社会貢献活動として、①京都にある私設図書館の梟文庫の企画で、不登校の子どもたちと計3回の哲学対話をオンラインで行った。②社会福祉の団体であるNPO法人リベルテのオンライン・トークイベント「ソロソロ、コロナ - 時間銀行をケーススタディに“コロナ禍と時間の在り方”を探る」に登壇し、「コロナ禍における時間の在り方」をテーマに発表を行った。発表の様子はyoutubeにて配信された。③京都にあるHAPというギャラリーの企画『翻訳するディスタンシング』にて、現代芸術の作家である小出麻代の企画展示の協力者として参加した。展示は2021年1月15日~1月26日の期間に行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学会発表や論文の投稿を行うことはできなかったが、本研究の集大成となる著作の準備を大幅に進めることができたため。2021年度内に出版社を決めて、2022年内での出版を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、著作の完成を目指して研究を進めていく。現時点では論文の新作一本と、既出論文二本の修正の作業を残すのみである。2021年10月までに初稿を完成させ、そこから出版社との交渉を開始する。完成度をあげるよう推敲を行いつつ、2022年内の出版を目指す。 また現時点で本研究と関連して二本の論文執筆依頼が来ているので、年度内に執筆し提出する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、コロナ感染症の流行によって、国内外の出張経費(学会やフィールド調査)と研究に関連したイベント等の人件費への支出が発生しなかったため。 2021年度の使用計画は、コロナ感染症の流行がおさまる気配がないため使用の目途が立ちにくいが、国内出張(学会やフィールド調査)と研究成果の発信、文献収集などで使用していきたい。
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