本研究では、カール・マルクスのエコロジカルな資本主義批判の方法論が、「存在論的一元論」と「方法論的(分析的)二元論」を採用していることが明らかとなった。近年マルクスは「社会」と「自然」のデカルト的「存在論的二元論」を採用していると批判されてきたが、それは誤っていることが示された。さらに、「方法論的二元論」を採用することで、資本主義の歴史的特殊性を把握することができる。その点において、マルクスの理論的枠組みは、ハイブリッドを掲げる論者たちが採用する「存在論的一元論」と「方法論的一元論」のペアよりも優れていることが示された。
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