研究課題/領域番号 |
18K12204
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 京都薬科大学 (2019-2021) 大谷大学 (2018) |
研究代表者 |
岸野 亮示 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (40760137)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 學如 / 根本説一切有部律 / 有部律 / 根本薩婆多部律摂 / 律摂 / 真言宗 / 密門 |
研究成果の概要 |
本研究では、(1)「根本説一切有部律」という戒律テキストの研究・宣揚に取り組んだ近世後期の学僧たちが撰述した同律に関わる研究書の実見調査を国内の寺院(2箇所)と図書館(8箇所)において行い、その現存状況を明らかにした。(2) なかでも學如(1716-73)が校訂・出版した『根本薩婆多部律摂』というテキストに同時代の学僧たちによる詳細な書き込みが加えられていること、そのテキストに寄せられた密門(1719-88)の序文に「根本説一切有部律」の伝承に関する珍しい記述が含まれていることに注目し、その序文と書き込みの訳注を、アクセス可能な八つの版本を参照して提示することで、その全貌を明らかにした。
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自由記述の分野 |
仏教学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、近代仏教学が導入される以前の日本において「根本説一切有部律」という戒律テキスト、およびその綱要書である『根本薩婆多部律摂』というテキストがどのように解読・理解され、伝承されていたのか、その一端が明らかになった。その意義としては、これまで等閑に付されてきた日本の近世における「根本説一切有部律」研究の再評価を促すことができたことと、これまでほとんど手付かずであった『根本薩婆多部律摂』研究の足がかりを構築することができたことが挙げられる。
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