本研究の最終年度となる令和2年度は、前年度までに引き続いて戦後から現代に至る日本の「宗教右派」に関わる文献類や報道記事の収集とリスト作成、アーカイブ化のために多くの時間を費やした。それとともに、具体的には、全国紙データベース、CiNii、J-STAGE等での「宗教右派」と関連語句の検索結果をリスト化したもの、ならびにその検索結果から網羅的に収集した文献・書籍の整理を進め、それらの読み込みを行った上で、戦後神社界の政治活動の理念と実践について、また戦後教育改善運動と「宗教右派」との関わりについて、などの研究を進めた。 次に、戦後から現代に至るまでの「宗教右派」の動向について、複数の研究者らに面談を行うとともに、情報交換・意見交換を継続して行った。 「宗教と社会」学会、日本宗教学会、日本社会学会、宗教法学会において、本科研で収集した資料を活用し、本科研課題に広く関わるテーマでの研究報告を行った。 本科研で収集した資料を活用しながら、「戦後日本における「宗教右派」「宗教右翼」概念の形成と展開」「学校の中の「宗教」―宗教研究と中高等教育の連携接合を目指して―」の2論文、「宗教 新たな感染症の時代の苦悩と宗教」(共著)、「宗教学者はオウム事件から何を学んだのか」「戦後神社界による政治活動の理念と実践」「沖縄「孔子廟」政教分離訴訟 最高裁が違憲判決 解説 公有地の「宗教」施設 確認必要」の4つの小論を執筆し、発表した。 また、最終的にはこれまで収集したデータをアーカイブ化・データベース化し、それを公開・発信するためのサイトとして、「[宗教と政治][宗教右派]学術情報サイト」(https://religionandpoliticsinjapan.blogspot.com/)を構築し、公開を開始し、コンテンツの充実化を進めた。
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