冷戦初期における西側のソ連研究の始動と亡命ロシア人の関係というこれまでの研究内容を踏まえ、本年度はイギリスへの海外出張によって現地での資料調査を行い、その実態をさらに把握するための調査を進めた。具体的には、ロンドン大学スラヴ・東欧研究科とその機関紙における亡命ロシア人の貢献、イギリスで実施された亡命ロシア人への支援、イギリスの知識人と亡命ロシア人との交流などの関係について調査を行い、考察を深めた。
これら研究内容に関連した英語による書籍(共著)、日本語による事典の原稿を執筆した(近刊)。前者では戦間期亡命ロシア人の思想と亡命先の政治状況との関係、亡命先の現地知識人による受容について扱った。後者では、戦間期の亡命ロシア人の主要な思想潮流、在ヨーロッパの複数の亡命ロシア人に関する項目について執筆した。
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