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2018 年度 実施状況報告書

ドイツ・プロテスタンティズムにおける「リベラル/デモクラシー/共和国」の問題

研究課題

研究課題/領域番号 18K12217
研究機関北海学園大学

研究代表者

小柳 敦史  北海学園大学, 人文学部, 准教授 (60635308)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード自由主義神学 / 文化プロテスタンティズム / リベラリズム / デモクラシー / ヴァイマール共和国
研究実績の概要

2018年度は研究実施計画に従って、年度前半は予備考察(C・アルプレヒトの「1917年の宗教改革400周年記念が、リベラルな神学者たちが「理性の共和主義者」に転換する契機となった」というテーゼの批判的再検討)を行った。宗教改革500周年だった2017年以降に発表された新しい研究成果も検討し、1917年の時点でのルター解釈と、その後のヴァイマール共和国への支持/不支持は必ずしも相関関係があるとは言えないとの結論を得た。すなわち、1917年に、ドイツのナショナル・ヒーローという「保守的」ルター像に対抗する、普遍性を持った宗教者として「リベラル」にルターを解釈した神学者たちが、必ずしもその後のヴァイーマール共和国を積極的に支持した訳ではないことが明らかになった。したがって、宗教的な意味でのリベラリズムと、政治的な意味でのリベラリズムの関係については、アルプレヒトのテーゼとは異なる視点から検討する必要がある。
年度後半も計画にしたがい、E・トレルチのテキスト分析を行った。このうち、トレルチのリベラルな思考を支える「前提を常に批判的に検討する」という姿勢が、彼の考えるプロテスタンティズムのあり方とカント主義の双方に根ざしていることの議論を日本宗教学会の学術大会で口頭発表する予定であったが、地震の影響で学会に不参加となったため、この内容については今後に論文として公開したい。
なお、2018年9月にはマールブルクでトレルチ学会の学術大会が開催されたため、これに参加し(旅費を執行)、トレルチ研究の最新状況を確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記の通り、2018年度は研究実施計画に沿った研究を実施することができた。計画では初年度にミュンヘン大学名誉教授のF・W・グラーフ博士を訪ねる予定にしていたが、トレルチ学会が開催されることになったため、海外旅費はそちらの参加に使用した。これによりトレルチ研究の最新情報を収集することができ、また、グラーフ博士とはメール等で緊密に連絡をとって研究上の助言を受けることができたため、進捗状況に大きな支障はない。

今後の研究の推進方策

2019年度も研究実施計画にしたがって研究を推進していきたい。すなわち、年度前半にM・ラーデのテキスト分析を行い、年度後半はA・v・ハルナックのテキスト分析に着手する。(ハルナックのテキスト分析は2020年度前半も継続)

次年度使用額が生じた理由

トレルチ学会の開催に合わせて夏季にドイツを訪問したため、想定以上に旅費を支出した。今年度の研究遂行に必要なテキストは所有していたため、今年度は書籍等の購入は行わず、残額は次年度に持ち越すこととした。

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公開日: 2019-12-27  

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