研究課題/領域番号 |
18K12217
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 北海学園大学 |
研究代表者 |
小柳 敦史 北海学園大学, 人文学部, 准教授 (60635308)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | プロテスタンティズム / リベラリズム / デモクラシー / ヴァイマール共和国 / トレルチ / ハルナック / ブセット / バウムガルテン |
研究成果の概要 |
本研究の成果は主として以下の3点である。「学問の無前提性」をめぐる論争の分析を通して、キリスト教の絶対性の主張をも反省的な検討に付すことができるというプロテスタント的なリベラリズムの自己理解を確認した。 ハルナック、ブセット、バウムガルテン、トレルチにおけるカーライルの受容について分析した結果、カーライルの議論が単純化された上でキリスト教精神を持った指導者への待望に利用されていることが判明した。 ヴィルヘルム期からヴァイマール期にかけてのトレルチのデモクラシー論を分析したところ、トレルチは一貫して貴族主義的民主主義の実現を訴えており、それをキリスト教的社会主義と特徴づけていたことが明らかになった。
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自由記述の分野 |
近代ドイツ宗教思想史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヴァイマール期の神学思想に関する近年の研究においては、もっぱら「前線世代」が考察の対象となり、実際にはヴァイマール期にもまだ社会の中枢を担い、学問的にも活動を続けていたヴィルヘルム世代の思想家たちに対する関心は著しく低いと言わざるを得ない状況にある。本研究成果は、このような研究状況の欠落を補う学術的意義を持つ。 さらに、本研究課題にはリベラリズムへの反対が国際的にも国内においても勢いを増す中で、リベラリズムの意味を問い直すという今日的なアクチュアリティもある。本研究成果により、キリスト教思想とリベラリズムの複雑な関係の一端を明らかにすることができた。
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