封建社会からフランス革命を経て近代社会へという史的構図はいまだに通念として義務教育等で教えられているが、学術的には、市民革命を経ることなく近代化することに成功したイギリスなど、その構図に収まりきらない事態が存在しており、それが重要な問題となっていた。イギリス下院議員エドマンド・バークは、封建的なるものと近代的・商業的なるものとを融和的に捉えており、彼の思考様式を解明することは、まさしく封建社会と革命的断絶を経ることなく近代化することに成功したイギリス社会を把捉し、理解する上でも極めて重大な意義を有するものであろう。本研究の学術的社会的意義はそこにあると言ってよい。
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