本研究では、理論研究と実践研究の両領域において成果を得ることができた。理論面では、当該研究の比較対象であるタブラーに関しての18世紀前後の音楽書を調査・研究することで、タブラーが楽器として北インドの宮廷に登場し始めた時代のリズム理論やレパートリーについて明らかにしたことである。一方、実践面においては、インド本国でもあまり奏者がいないジョーリーの奏法を、継続的なレッスンをすることである程度習得し、ジョーリーとタブラーの比較分析を行うことができた。 これにより、ジョーリーとタブラーの比較から、18世紀移行のインド音楽におけるリズム理論の変容過程について明らかにすることに成功した。
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