研究課題/領域番号 |
18K12237
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
川合 真木子 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 助教 (20801294)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | アルテミジア・ジェンティレスキ / ナポリ |
研究実績の概要 |
2021年度を通じ、17世紀のナポリで活躍した女性画家、アルテミジア・ジェンティレスキの活動についての調査、および関連する文書の翻訳を行った。あわせて、文献の収集と、収集した資料の整理を行った。 アルテミジア・ジェンティレスキのナポリ時代の書簡の翻訳を行い、彼女の活動に対する理解を深めるための一助とした。フランチェスコ・デステ1世を対象とした彼女の支援者獲得の試みを、書簡の読解に基づいて解説した。あわせて、地域をまたいだ大規模な移動を含む、彼女の国際的な活動を理解するために、父や弟たちを含むジェンティレスキ一族のネットワークに関しても考察を加えた。この成果については、所属大学のリポジトリで公開している。アルテミジア・ジェンティレスキのナポリ時代の活動について、これまでの研究成果を補足する成果となっている。 また、研究課題であるナポリ派の状況を把握する上で、引き続きベルナルド・カヴァッリーノ、パオロ・フィノーリア、サルヴァトール・ローザの17世紀の画家たちに関する調査を進めることができた。この結果、この時期のナポリの画家たちの活動に関して、包括的な視点から評価するための素地を作ることができたと考えている。 今後、伝記や古文書、書簡等に基づく研究成果に加え、造形の上での具体的な影響関係を視野に入れつつ、アルテミジア・ジェンティレスキと同時代、あるいはのちの世代の画家たちとの関係をまとめていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ナポリの画家に関する資料収集などはおおむね順調に進んでいる。一方で、Covid-19感染症のため、アルテミジア・ジェンティレスキに関わる現地調査や、ナポリ等における文書館での追加調査が実施困難な状況が続いた。 これまで収集した資料の整理や、代替的な措置を検討する必要が生じ、研究にやや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
Covid-19感染症流行により、現状では、いつ現地調査を実施できるかが不明瞭なため、引き続き現地のアーキヴィストたちとのコンタクトを確保し、状況が好転した際の調査実施に備える。一方で、翻訳作業から得た成果により重点を置きつつ、国内でできる図像の整理作業や考察・執筆にシフトしながら、研究の進行状況を調整していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19感染症の流行によって、予定していた現地調査が行えなかったため。イタリアでの調査予定の作品を実見できなかった代替として、図版や書籍の購入と、その他の調査のための旅費、および資料整理に関る人件費等に充てる。
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