江戸後期に重要な風景画を描いた岡田半江について、109件の調査を基に、父・米山人の影響が強い時期から半江独自の精緻な作風に至るまでの変遷や真贋について知見を深めたことは、江戸時代の風景表現を探るうえで意義深いことであった。また、コロナ感染症の影響から所蔵品調査へと切り替えたことで、今後の研究方法の新たな切り口を発見することができた。オンラインギャラリートークの公開により、海外にも日本の文人画、風景画に関する内容が共有され、国内外の研究者から情報提供を得ることもできた。さらに、東京国立博物館本館にて本研究に関わるテーマ展示を毎年度1回は開催することで、広く社会・国民に対しても成果を公開した。
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