研究課題/領域番号 |
18K12262
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
山本 里花 (生野里花) お茶の水女子大学, 基幹研究院, 基幹研究院研究員 (00793960)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 音楽療法 / 高齢者ホーム / 関係の媒体 / 共創 / ケア / COVID-19禍 |
研究成果の概要 |
本研究では、「関係の媒体としての音楽実践の中から生み出される高齢者『ケア』」について、国内のある介護つき高齢者居住施設において実践・検証を行い、個人セッション2事例、家族を含めた個人セッション1事例、オープングループセッション1事例を詳細に分析した。分析に当たっては、既存の解釈主義的研究方法に加えて「代弁的語り直し」、「表象芸術媒体を用いた研究的対話」という新しい方法を創案・使用した。また、コロナ禍による大幅な制限下の実践に関する知見や論考も著した。 以上により「音楽による『ケア』」の様態の一側面と、その研究・共有方法についての議論の基盤を築くことができた。
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自由記述の分野 |
音楽療法、音楽臨床
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、要介護高齢者の「その人固有の経験」「生物学的生の時間軸と音楽による『ケア』の時間軸の絡み合い」「音楽療法士や家族も含めた参加者の相互変化」を軸とした、音楽療法の一領域の指標を提示した。高齢者の音楽療法が「心身の諸機能の部分的変化」か「不適応行動の少ない平穏な時間」に二極化しがちな状況にあって、新たな実践の筋道の可能性を開いたことに社会的意義がある。 さらにその研究を「生態学的妥当性」、「多様なデータ・ソース」、「実践と検証と共有の循環」によって進める過程で実験的な分析手法を取り入れ、普遍性と局所性の間に位置する「参加者の経験」に留まる試みをしたところに学術的意義があると考える。
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