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2020 年度 実施状況報告書

シャーマン・リーの基礎研究:アメリカのアジア美術受容史における位置づけ

研究課題

研究課題/領域番号 18K12265
研究機関岡山大学

研究代表者

五十嵐 潤美  岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 講師 (90711622)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードシャーマン・リー
研究実績の概要

令和二年度はコロナ禍の影響で海外調査ができなかったため、国内資料の調査に集中した。国内資料は主に国立国会図書館に所蔵されている占領軍資料(GHQ/SCAP文書)である。前年度から徐々に始めていたマイクロフィッシュの電子化を継続した。
電子化している資料はシャーマン・リーがアドバイザーとして所属していたCollection, Arts, and Monuments Division (A&M) の文書で、報告書、書簡、内部決裁文書が含まれていた。リーが赴任してきた1946年前後から1948年の日付のある文書を中心に取り寄せ、フィルムスキャナーを使って電子化する作業を中心に行った。関連する文書量が多いため、スキャン完了の状況は現在約50%程度である。スキャンと同時に徐々に解読作業を行った。
Collection, Arts, and Monuments Divisionには戦前戦中にアメリカの文化財政策の基礎を気付いた専門家が関与しており、さらに戦後のアメリカの多くの美術館におけるアジア美術収集の中心となった若手専門家が所属していた。これらの文書には実名と詳細な活動の記録や、彼らが書き残した手紙や報告書があるため、一人一人の活動、相互関係などを詳しくたどることができた。これらの、関係者の人物名鑑、活動記録、相関関係などを文書にするための、解読作業を開始した。まだ全貌をつかむには至っていないが、ここに登場する人物と、アメリカ本土での美術行政、美術館の発展史を重ね合わせることで、シャーマン・リーを日米両国の美術行政史、美術館史に正しく位置づけ新たな視点を提供できる可能性が見えてきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

アメリカのクリーブランド美術館やワシントンDCおよびニューヨークの文書館で資料調査をする予定であったが、コロナ禍の影響で渡米が不可能となったため。また、国内資料の電子化作業も、コロナ禍の影響で、研究室での学生の雇用が難しく、進捗が遅いため。

今後の研究の推進方策

今後はしばらく国内資料の収集と整備を続け、その解読に基づいた報告書の作成を行う。しかし、有力な資料はアメリカにあるため、コロナの状況を考慮しながら、渡米調査が可能となる機会を待ちたい。

次年度使用額が生じた理由

アメリカでの調査ができなくなったため。コロナ感染の状況をにらみながら、渡米の機会を待ち、可能になり次第、現地調査を再開したい。

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公開日: 2021-12-27  

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