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2022 年度 実施状況報告書

シャーマン・リーの基礎研究:アメリカのアジア美術受容史における位置づけ

研究課題

研究課題/領域番号 18K12265
研究機関岡山大学

研究代表者

五十嵐 潤美  岡山大学, 教育推進機構, 講師 (90711622)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワードシャーマン・リー / GHQ/SCAP / 占領軍 / GHQ美術政策
研究実績の概要

今年度も海外調査を断念し、国内にある資料の収集・調査に集中した。国立国会図書館のご協力により、必要資料は概ね手元に保管することができた。収集した資料から順次その電子化を進めた。対象としている膨大な行政資料を電子ファイルとして保管することで、検索や保管の利便性が上がり、研究の効率化を図ることができた。
これらの資料にはGHQ美術記念物課の日常業務を具体的に把握することができるものが多数含まれており、時系列を追って整理すると、シャーマン・リーが日本での短い任期中にどのような任務をこなしていたかがわかった。特に日本美術界の民主化が大きな任務の一つであったことが明らかになった。また、リーは占領軍の中で軍人ではないという難しい立場に立っており、(戦争中は海軍に入隊したが、この部署での任務中は民間人専門家として勤務)、GHQの他の部署や軍の上司と考えの相違が生じる経緯も追跡できた。関西の美術コレクターたちへのコレクション公開支援は、リーが力を注いだものだったが、頻繁な関西への出張や、コレクターたちへの手厚すぎる援助が問題となっている。また、法隆寺展開催や各地の日本人美術史家とのやり取りなど、貴重な一次資料を確認することができた。
今年度発表したものは、ヨーロッパにおける同様のプログラムThe Monuments, Fine Arts, and Architecture Programと日本のArt and Monuments Divisionの活動とを比較し、日本のプログラムに特有の目的などをまとめたものとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

海外調査を中心に計画した研究であったため、前年度まではコロナ禍でかなり遅れていたが、国内資料中心の調査に切り替えてからはその遅れを取り戻しつつある。資料の収集は概ね終わっている。資料の電子化はまだ一部未完のものが残っている。

今後の研究の推進方策

最終年度となる今年度中に出版を視野に、収集した国内資料の考察を進める。これらはシャーマン・リー研究には欠かせない重要資料となり得る資料であるので、今後の研究のためにも活字化を進めていきたい。

次年度使用額が生じた理由

海外調査を断念したため、旅費に余剰が生じたが、国内資料収集、電子化の経費(人件費含む)、研究成果の発表のために使用したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 占領下日本の美術政策とシャーマン・リー:GHQ美術記念物課の仕事から2023

    • 著者名/発表者名
      五十嵐潤美
    • 学会等名
      日本国際教養学会

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公開日: 2023-12-25  

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