研究課題/領域番号 |
18K12268
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
荒木 慎也 成城大学, 法学部, 非常勤講師 (60816370)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 美術教育 / 芸術祭 / 美術系大学 / 美術予備校 |
研究実績の概要 |
当研究課題は、年初よりコロナ禍による研究の中断を余儀なくされた。当初予定していた、美術系大学への取材や美術予備校の取材、芸術祭へのボランティア参加によるフィールドワークは、実施が不可能になった。また、同じく感染拡大防止の観点から、調査対象者へのインタビュー調査も中断することになり、研究に必要な一次資料を収集することが著しく困難になった。これらの事情に加え、研究者自身の生活もコロナ禍に大きく影響を受け、本研究課題に十分なエネルギーを注ぐことが困難だった。 そうした状況下で、本年度は、オンラインでのアウトリーチ活動を中心に実施した。複数の美術系大学や美術予備校の講師にオンラインでのインタビューを実施し、記事として編集して美術系出版社アートダイバーのウェブサイト上で発表した。2021年2月には、東京都目黒区の絵画教室ルカノーズの創設者である三杉レンジ氏の協力で、オンライン・セミナーを、また京都府京都市のオルタナティブ・スペースである上七軒文庫を主宰する亀山隆彦氏の協力により寄付講座の講師を勤めた。2021年3月には、東京大学のオンライン・シンポジウム「文化芸術におけるSDGsのためのファシリテーター育成事業」のオンライン・ラウンドテーブルにゲストスピーカーとして登壇した。さらに、2020年11月28日から12月6日まえ、神奈川県相模原市のアートギャラリーを主宰する美術家の梅津庸一氏と共同で、企画展示「青春と受験絵画」を開催した。 これらの活動は、これまで研究代表者が取り組んできた研究課題の研究成果を、広く社会に周知・還元する活動として位置づけている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年初より始まったコロナ禍によって、本来の調査対象である美術系大学は年間を通して入構不可能となり、美術予備校も感染拡大防止のために教室の閉鎖・通信教育を行うようになった。さらに、予定していた芸術祭ボランティアの参加によるフィールドワークも、芸術祭の相次ぐ中止・延期に伴い、実施が不可能となった。以上の理由から、研究に必要な一次資料を得ることが著しく困難になり、研究に支障をきたしている。そのため、本年度は研究費の支出を最小限にとどめ、次年度に研究活動を再開できることを想定して研究費の補助期間延長手続きを行った。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度もコロナ禍が続いており、研究対象である芸術祭の多くがイベントの中止・延期が決定されている。そのため、芸術祭のボランティア活動への参加を通じたフィールドワークという当初の研究手法は変更せざるを得ない。比較的取材可能な美術系学校・美術予備校を取材対象の中心に切り替え、関係者へのインタビューやアーカイブ調査を主な調査方法として実施することで、研究の軌道修正を図る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、年初よりコロナ禍によって研究活動が大きく制限された。とくに、当初予定していた芸術祭へのボランティア参加によるフィールドワークが不可能になり、フィールドワークにともなう旅費支出がなくなった結果、予算が大幅に余る結果となった。そのため、次年度への補助事業期間の延長手続きを行い、2021年度に研究活動を継続することにした。
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