研究課題/領域番号 |
18K12269
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
西国領 君嘉 日本大学, 芸術学部, 研究員 (50813234)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 初代吾妻徳穂 / 吾妻流 / アヅマカブキ / アーカイブ / 日本舞踊 |
研究実績の概要 |
日本舞踊家初代吾妻徳穂の舞踊活動におけるアーカイブ化を目的とし、初代徳穂の「春藤会」「夫妻会」「定式舞踊研究会」「アヅマ・カブキ」「徳穂三趣の会」の公演プログラムをはじめとする文献、吾妻流関係者や舞踊界で親交のあった舞踊家や演奏者へのインタビューを行なっている。 これまでの調査では、渋谷区に所在する吾妻流事務所を訪問し、保管されている過去資料の閲覧しながら、初代徳穂の義娘であり二代目吾妻徳穂の実母である吾妻花舟氏にインタビューをし、資料の収集と倉庫の整理を行なうことが、本研究の主軸であった。ここで得た情報から、その他のルートへ派生し調査の枠を広げていた。しかし、当該年度は新型コロナウイルスによる自粛と、花舟氏の高齢化と体調不良により、これまでのような調査は行えなかった現状がある。研究計画では、国内の調査と並行して、アヅマ・カブキの調査のため、米国とヨーロッパを訪問する予定であったが、それも叶わなかった。 その中でも本年度は、清元梅吉氏から第1回アヅマ・カブキのインタビュー調査、明治大学教授神山氏から第2回アヅマ・カブキの資料を拝借することができた。これまでの調査では、舞踊の参加者からしか話を伺えなかったが、梅吉氏のインタビューにより、演奏者という違う立場の人物からアヅマ・カブキを知ることができた。また、神山氏の資料は、第2回アヅマ・カブキに発つ初代徳穂への激励の電報や、米国各市の市長などとのやりとりを綴ったスクラップブックであった。このスクラップブックについては、初代徳穂の親交を知る花舟氏にインタビューしながら調査を進めなければ難しいものであるため、先述の理由から進行が滞っている。 令和3年度は最終年度にあたるが、まだ資料の収集と調査が足りていないように感じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
これまでの調査では、初代吾妻徳穂の舞踊活動における国内での公演資料と、第1回アヅマ・カブキの公演プログラムと、新聞記事、インタビュー調査、これらによる資料収集を遂行してきた。 資料を収集するにあたり、吾妻流事務局に保管されている資料の整理に手間取ってしまったこと、資料を閲覧する日程が限られてしまったことで、資料収集が大幅に遅れていた。また、本来であれば、アヅマ・カブキの調査のため、米国と欧州への海外渡航し、公演各地を巡り初代徳穂が劇場に寄付した着物や公演について調査を行う予定をしていたが、新型コロナウイルスの影響で、海外渡航やインタビューができず、さらに調査が遅れてしまったことが理由にあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに公演プログラムを主に収集してきたが、次年度は、そのまとめ作業に取り掛かる予定である。また、劇評などの資料収集が足りていないため、雑誌での資料収集と評論家へのインタビューを遂行したいと考えている。 新型コロナウイルスのワクチン摂取により海外渡航が可能になれば、海外出張も視野に入れ、アヅマ・カブキの調査も続行したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費の使用もなく、物品の購入も必要がなかったため。 次年度は、収集した資料にVHSとレコードがあるが、それを閲覧可能な媒体に変換するよう業者へ依頼とその他の資料収集、それに伴う消耗品等、国内の出張と渡航可能になれば国外への出張に使用したいと考えている。
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