「アレルギー訴訟と科学的証拠基準から見た市民性」という題目で科学研究費をいただき、文献調査から研究を始めました。食アレルギーに関する先行研究、アメリカにおける食アレルギーに関する裁判資料の収集、科学的研究の文献の精読を行いました。その後、子供の誕生とコロナのパンデミックが重なり、フィールド調査をできないでいるうちに、食アレルギーに関する訴訟問題から、興味関心が少しづつシフトしていきました。 まずは、ウッドショックを受けての真庭市における林業の活性化の兆しの中で、日本の花粉症の問題と森林とそれを利用する人達との関係へと研究興味が移りました。科学技術研究(STS)の部分では文献で共通点が多いので、引き続き先行研究の精読は続けましたが、本助成金でこのテーマで研究することに関して限界を感じるようになりました。そのため、昨年度は助成金の期間をさせてはいただきましたが、途中からこれは使用せずに返却しようと考えるに至りました。 食アレルギーに関しては、論文などの形の成果は本助成金期間では完成させることはできませんでした。関連テーマとしては、2021年に以下の論文を出版しました。 上杉健志 Disasterizing Fukushima’s Nuclear Disaster: Pedagogical Reflection on Anthropology of Disaster、岡山大学全学教育・学生支援機構教育研究紀要第6号(2021) 111 - 119
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