本研究では、アジア太平洋戦争直後の日本及び朝鮮半島における文学者や文学作品を対象に、特に冷戦下の政治状況の中で移動が制限された在日朝鮮人に焦点を当てながら、〈移動〉の表象を考えてきた。本研究の一年目では、研究の基礎となる日本占領及び朝鮮軍政関係資料の収集を行なった。二年目は、在日朝鮮人作家による文学作品の読解を中心に行い、その成果を国外に発表した。さらに、中長期的な国際研究ネットワークを構築できた。最終年度では、covid-19の世界的パンデミックの中でもオンラインミーティングを活用することで、過去二年間に築いた国際的なネットワークを維持することができ、研究成果も発表できた。
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