研究課題/領域番号 |
18K12281
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
中本 真人 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (30734678)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 内侍所御神楽 / 北山惣社御神楽 / 綾小路信俊 / 足利義満 / 信俊卿記 / 後小松天皇 / 一条兼良 / 梁塵愚案抄 |
研究実績の概要 |
本年度は、令和2年度日本歌謡学会春季大会(5月16日(土)・17日(日)、於新潟大学 駅南キャンパス 「ときめいと」)にて、シンポジウム「一条兼良『梁塵愚案抄』とその時代」を開催する予定であった。パネル報告として、中本真人「『梁塵愚案抄』の時代の内侍所御神楽」も行われる計画であったが、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のために、学会が中止となっている。なお、シンポジウムについては、令和3年5月23日に開催されることになった。 研究業績としては、単著『内侍所御神楽と歌謡』(武蔵野書院、2020年)が刊行された。同書は、独立行政法人日本学術振興会令和二年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費・研究課題番号20HP5040)の交付を受けて出版されたもので、本科研費の研究成果の一部も収録論文に含まれている。 次に、応永・永享期文化論研究会2020年9月例会(9月20日(日)、オンライン開催)において、研究発表「北山惣社御神楽と綾小路信俊」を行った。北山惣社御神楽は、北山第を取得した足利義満が、西園寺家の祭祀を継承する形で始められた。この御神楽は、義満が院のごとく振る舞ったとする同時代史料として注目されてきた。一方、この記事を残した綾小路信俊は、義満や後小松天皇に冷遇され、特に家業である御神楽に対しては激しい批判を繰り返していた。従来の研究では『信俊卿記』に対する史料批判が充分でなく、義満に強い不満を抱く信俊の立場が考慮されていなかった点などを明らかにした。 なお、上記の報告は『人文科学研究 』147輯(新潟大学人文学部、2020年12月)に「北山惣社御神楽と綾小路信俊」として掲載されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究発表、雑誌論文だけでなく、単著『内侍所御神楽と歌謡』(武蔵野書院、2020年)によって研究成果を広く公表することができた。また、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けることなく、研究を進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のために、中止となったシンポジウム「一条兼良『梁塵愚案抄』とその時代」を開催し、パネル報告「『梁塵愚案抄』の時代の内侍所御神楽」を行う予定である。また同内容について『日本歌謡研究』第61号(令和3年12月)に論文として公表する計画である。 また室町期の内侍所御神楽の所作人の変容について、別稿をまとめる予定である。さらに、応仁の乱の乱中に催行された内侍所御神楽の位置についても検討を進めている。
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