| 研究課題/領域番号 |
18K12300
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| 研究機関 | 佛教大学 |
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研究代表者 |
筒井 大祐 佛教大学, 総合研究所, 特別研究員 (80740513)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 八幡愚童訓 / 八幡信仰 / 八幡縁起絵巻 / 中世文学 / 絵巻物 |
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| 研究実績の概要 |
今年度も引き続き、研究課題である『八幡愚童訓』の基礎的研究を進めるために、伝本調査や関連資料の収集を行った。
伝本収集としては、兵庫県洲本市（淡路島）由良湊神社において、ご所蔵の『八幡愚童訓』、八幡縁起絵巻の伝本調査と写真撮影を行った。当地では、『八幡愚童訓』と八幡縁起絵巻が共に伝播しており、これらの資料は、瀬戸内海における八幡縁起の流通、八幡信仰のあり方を考察する基礎資料でもある。また、これらの資料をもとに、他の伝本の本文と比較検討する事で、今後の『八幡愚童訓』の基礎的研究に活かしたい。
また奈良県吉野郡に所在する龍門文庫において、中世の八幡縁起と関わる神社資料の調査も継続して行った。今後、この資料を始めとして、中世の八幡縁起と関わる資料の調査を継続して行いたい。
研究成果として、『八幡愚童訓』の本文を取り込む、熊本県熊本市藤崎八旛宮所蔵の「細川家奉納八幡縁起絵巻」の上巻部のカラー写真に翻刻を付して、紹介した。本伝本は、熊本藩の藩主であった細川家により、藤崎八旛宮に奉納されたものである。本伝本は、近世初期制作の他の八幡縁起絵巻と同一の制作圏で成立したと思われ、近世初期の『八幡愚童訓』の本文の流布や、八幡信仰のあり方を考える上で貴重な伝本である。これらの点をふくめ、八幡縁起絵巻における位置付けについて、略解題を執筆した。
これらの基礎資料の調査、提供を続けていきながら、今後も研究計画を進めていきたい。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題を進めるために、兵庫県洲本市（淡路島）の由良湊神社所蔵の『八幡愚童訓』、八幡縁起絵巻の伝本調査、写真撮影を行ったが、それらの調査を基にした研究成果を出すことができなかった。また、『八幡愚童訓』の本文系統を考察するための論考も予定していたが、活字化する事ができなかった。今後は『八幡愚童訓』の本文系統を検討するための基礎的な論考を活字化したい。
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| 今後の研究の推進方策 |
兵庫県洲本市（淡路島）の由良湊神社所蔵の『八幡愚童訓』、八幡縁起絵巻を現地調査したことにより、当地（淡路島）が中世の八幡縁起の伝播を考える上で、地理的に重要な位置をしめていた事が理解できた。また淡路島には、この他にも、詳しい調査がされていない、重要な『八幡愚童訓』、八幡縁起絵巻の伝本が現存していることも判明した。今後、研究課題を遂行する上でも、重要な伝本なので、調査の環境が整えば、調査を行いたい。
あわせて、『八幡愚童訓』の展開を考察する上で、八幡縁起絵巻の重要性が改めて認識できたので、『八幡愚童訓』と八幡縁起絵巻との関連についても、視野を広げて研究していきたい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新刊書籍を学内購入で、定価より割安で購入できた。また、研究書も古書店を通じた購入で、予定額より安く購入することが出来た。これらの書籍代が、予定価格より安く購入できたことで、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、新たな研究資料代として使用する予定である。
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