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2022 年度 実績報告書

1930年代連邦作家計画のガイドブックにおけるアメリカン・ナラティヴの創出

研究課題

研究課題/領域番号 18K12323
研究機関中央学院大学

研究代表者

峯 真依子  中央学院大学, 現代教養学部, 講師 (90808693)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード連邦作家計画 / アメリカン・ナラティヴ / ニューディール政策 / ガイドブック / ロード・ナラティヴ / FWP
研究実績の概要

本研究は、連邦作家計画(FWP)が失業中のプロ・アマチュアの作家に書かせた各州と各都市のガイドブックが、いかなるアメリカの自己イメージを創り出したのか、どのようなアメリカの国民性や文化についてのナラティヴを生み出したのかを、明らかにすることを目的とする。最終年度において得られた成果は、以下の通りである。
1)FWPのガイドブックが、20世紀のアメリカの文学・映画・音楽におけるロード・ナラティヴに接続している可能性を明らかにし、FWPの戦後アメリカのポピュラーカルチャーへの影響とその遺産としてのFWPガイドブックの歴史的な意味づけを行った。個人の人生の探求、他者との出会いと交流、アメリカの再発見というロード・ナラティヴとFWPガイドブックの共通性を、アメリカ公文書館での一次資料から明らかにした。
2)FWPがガイドブックに多く描かれている、自然の描写に焦点を当てた。実はFWPガイドブックに至るまでのアメリカの複数の観光案内の系譜において、「アメリカのプリミティヴな自然」が、国民を一つに統合するイメージを歴史的に提示してきたことを確認し、そのうえで、FWPガイドブックは、いかにその「プリミティヴな自然」を書いたのか、かつ移民国家としての絶えざる難問である個々人の歴史観の違いをいかに「自然」で超越しようとしたのかを、アメリカ公文書館での一次資料と、FWP以前に出版された様々なガイドブックから明らかにした。
研究期間全体を通じて実施した研究成果としては、FWPはアメリカの自己イメージを1930年代に新しく生み出したのではなく、作家たちが全米で大規模に発掘・再発見し、豊かな国民のナラティヴとして、一般の人々に広く伝え、共有させたことを、多くの一次資料から、具体的に明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Re-Birth of a Nation: The Federal Writer’s Project and the Epic on the Road2023

    • 著者名/発表者名
      Maiko Mine
    • 雑誌名

      現代教養論叢( 中央学院大学)

      巻: 5巻(2号) ページ: 71-95

    • 査読あり
  • [学会発表] Literacy and Neo-slave Narratives2022

    • 著者名/発表者名
      Maiko Mine
    • 学会等名
      Neo-slave Narratives Conference グリニッジ大学主催、リバプール大学共催
    • 国際学会
  • [図書] 自然・風土・環境の英米文学2022

    • 著者名/発表者名
      峯 真依子(共著)
    • 総ページ数
      464
    • 出版者
      金星堂
    • ISBN
      9784764712164
  • [図書] Rewriting America: New Essays on the Federal Writers’ Project2022

    • 著者名/発表者名
      Maiko Mine(共著)
    • 総ページ数
      270
    • 出版者
      University of Massachusetts Press
    • ISBN
      9781625347008

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公開日: 2023-12-25  

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