研究課題/領域番号 |
18K12323
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
|
研究機関 | 中央学院大学 |
研究代表者 |
峯 真依子 中央学院大学, 現代教養学部, 准教授 (90808693)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 連邦作家計画(FWP) / ニューディール政策 / 米国各州案内 / フェデラル・ワン / スターリング・A・ブラウン / ロード・ナラティヴ |
研究成果の概要 |
本研究は、連邦作家計画が失業中の作家に書かせた各州と各都市のガイドブックが、いかに自己イメージを醸成させながら、アメリカの国民性と文化についてのナラティヴを紡いだのかを明らかにすることを目的とした。それによって得られた知見、および明らかにできたことは、以下の通りである。
ガイドブックは、アメリカ人をヨーロッパから切り離し、アメリカを真の故郷にしようとする愛国的な意図があった。また、開拓者のイメージを付与された肉体労働者、新移民、マイノリティーもそこに多く描かれることで、より包括的にアメリカ国民の再定義が行われた。さらにはロードで人々をつなぐ語りは、国民統合のナラティヴとして効果的に機能した。
|
自由記述の分野 |
英文学および英語圏文学関連
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果の学術的意義としては、連邦作家計画はアメリカの自己イメージを1930年代に新しく生み出したのではなく、作家たちが全米で大規模に発掘・再発見し、豊かな国民のナラティヴとして、一般の人々に広く伝え、共有させたことを、多くの一次資料から、具体的に明らかにした点である。 社会的意義としては、マイノリティ、地方文化、1920年代には顧みられることが殆どなかった労働者階級をガイドブックに書き留めることがアメリカの民主主義を保証するという理想のもと、アメリカ政府がアメリカン・ナラティヴを作った事実を資料で明らかにした点である。それによって現在の分断の時代の解決の糸口を先取りしていることを明らかにした。
|