本研究は、文学と写真という二つの芸術分野を横断することで、文学解釈の新たな方法を提示しようとする大きなプロジェクトの一環をなす。ニューヨーク公立図書館貴重書所蔵の未出版の一次資料を調査分析し、写真というメディアの持つ同時代的意義、作家に与えた影響を検証したこと、さらに、ヨーロッパの写真論や芸術論をアメリカ文学研究に取り込むことで、独自性の高い作品解釈を提示した。写真、写真論を介在させながら、無意識、現実、幻想、「書く」行為といった文学的テーマにアプローチし、作品の新たな解釈を提示した。そのうち二本の論文はアメリカの学術雑誌に掲載された。
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