2021年度は、2020年度に実施できなかった国外図書館での資料収集および学会参加を予定していたが、コロナウイルスの感染が終息しなかったことにより、資料についてはILLで取り寄せるにとどめ、学会はオンラインで参加せざるをえなかった。 とはいえ、本研究に続く課題である「戰、金、愛─エクトール・マロの大人向け作品における近代社会とその犠牲者たちの描写─」が2021年4月に採択された。その助成も受けつつ、金銭問題により罪を犯した男を描いた『青い血』という作品について、日本フランス語フランス文学会中部支部大会で発表した。 また、白水社『ふらんす』で「『家なき子』の作者エクトール・マロの社会派小説」と題する連載を行い、一連の研究成果を広く一般にも公開した。
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