研究課題/領域番号 |
18K12353
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
佐々木 悠介 東洋大学, 国際学部, 准教授 (20750730)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 写真 / キュレーション / 比較芸術 |
研究実績の概要 |
コロナ禍によって、本研究が前提とする海外での資料調査を全く行うことができなくなり、研究活動は大幅に停滞している状況である。収支状況報告書でも明確になっているように、実際に直接経費を執行しての研究活動は、本年度はごく僅かしか行っていない。直接経費を執行したのは、おもに海外からの二次資料(文献)取り寄せである。 2021年12月25日に東大比較文學会が主催した、「『比較文學研究』百六號合評会」にて拙論「ヴィヴィアン・マイヤーの生涯と写真における両義性」の著者として登壇(オンライン開催)し、評者の鈴木実香子氏およびフロアの参加者とディスカッションを行った。これが結果として、本研究に関わるものとして2021年度内のもっとも重要な活動になったが、そもそもこの論文自体は2020年度に刊行したものであり、その土台は2020年2月のシカゴ出張である。したがって、新しい研究成果を公表したものとは言えない。 このほか、シカゴ歴史博物館があらたに公開した、ヴィヴィアン・マイヤーのコレクションをオンラインで閲覧するという形の資料調査を行った。調査方法としてかなり限定的ではあるが、上記のシカゴ出張にてシカゴ大学で調査したコレクションとは異なる蒐集家によるフィルムであり、シカゴ大での資料調査をいくらか補強することはできた。 ただし、(本研究の調査対象はヴィヴィアン・マイヤーだけではないが)上述の合評会でのディスカッションや歴史博物館の資料のオンライン調査を踏まえ、研究成果をさらに大きな形でまとめるためには、シカゴ大での追加調査が不可欠であり、現在はそれが可能な状況になるのを待っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は元来、海外での一次資料調査を前提として計画したものであるが、2020年2月のシカゴでの資料調査以後、一切の海外出張を行えなくなっており、コロナ禍によって大きな影響を被っている。結果として、当初の計画と比べて、大幅に停滞している。
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今後の研究の推進方策 |
現在の状況では、オンラインでのごく限定的な資料調査、海外からの二次資料(文献)の取り寄せを進めながら、勤務先から海外出張が認められ、かつ海外の資料所蔵機関が以前のように調査を受け入れてくれる状況になるのを待つしかない。 本来は2021年度が最終年度であったが、一年間の延長を申請して認められたので、上記のような状況になり次第、資料調査を再開したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では、2020年度、2021年度の二年間に渡って、コロナ禍によって元来計画していた海外での資料調査を全く行うことができない状況にあるが、状況が改善したらすぐに資料調査を行いたいと考えている。 しかし元来想定していた調査地、期間でもコロナ以前と比べて(航空運賃などが)大幅に高騰することも予想される。それに必要な費用を確保しつつ研究期間を延長するという判断をしたことが、次年度使用額の生じた理由である。
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