義務的に人称標示がされる統語的人称標示型言語である現代ウイグル語と、人称標示が義務的でなく、人称標示が他の意味機能を担っている機能的人称標示型の言語のシベ語について、①定動詞・形動詞述語②動名詞述語③補助動詞/コピュラ動詞④文末詞の意味機能の分析と対照を行うことで両タイプの言語の文法範疇の発展過程の解明を目指した。そして統語的人称標示型言語と機能的人称標示型言語で異なるのは専ら定動詞・形動詞・動名詞という動詞の屈折形式の意味機能のみであり、コピュラ動詞/補助動詞と文末詞は両言語で共通した意味機能をもち、共通した範疇を形成していることを明らかにした。
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