研究課題/領域番号 |
18K12375
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
野間 砂理 琉球大学, 国際地域創造学部, 准教授 (70724970)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 過去分詞の素性 / 過去分詞形複合形容詞 / 状態受動文 / ドイツ語学 / 形態論 |
研究成果の概要 |
ドイツ語の状態受動文あるいはコピュラ構文における過去分詞の素性を扱う従来の研究では、音韻論、形態統語論、形式意味論、語用論の分野で個別に扱われてきたが、本研究では、「(A)状態受動文の中の過去分詞」と「(B)状態受動文における項/付加詞を取り込んで複合形容詞の一部となった過去分詞」という二つの構文を、過去分詞形複合形容詞が形成前(A)と後(B)という連続した構文と見做すことで、その語形成過程における統語・意味・語用論的作用の違いにより過去分詞の動詞性と形容詞性が決定することを明らかにした。
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自由記述の分野 |
ドイツ語学、形態論
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、過去分詞形複合形容詞を伴うコピュラ構文が、状態受動文と意味及び統語構造において平行であるという特徴を、これまで意味論および語用論の分野で意見の一致をみなかった状態受動文における過去分詞の素性をめぐる研究に取り入れることで、これら二つの構文を同時に分析した。その結果、統語・意味・語用論が時として下位レベルの形態構造をも考察しなければならないこと、また形態論と密接に関わる語類の分析案を各分野へ還元することで、言語データを多角的な視点で分析することが可能となり、ドイツ語学全体の研究発展に貢献する可能性を示すことができた。
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