研究課題/領域番号 |
18K12385
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研究機関 | 名古屋外国語大学 |
研究代表者 |
川原 功司 名古屋外国語大学, 外国語学部, 准教授 (70582542)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | イデオフォン / 述語 / 構造 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、スケールを用いて「グラグラ、クタクタ」といったイデオフォン(擬音語・擬声語・擬態語)における段階性 (gradability) を分析・記述することを通して、その核となる意味を明らかにすることである。特に、「huge、fantastic」といった極限 (extreme) 形容詞に観察される意味の強さと比較して分析することで、イデオフォンが持つ感覚的イメージの一部を明示的にする。また、段階性と関連する比較構文や程度構文などの文法的統合性の問題について考察し、意味の強さが最大限の基準として内在化された場合、意味的余剰性の削減のため文法的統合性が弱くなり、比較構文や程度構文といった複雑な構文が作れなくなるかどうかについて調査するのが目的である。
比較構文の分析を行う際に、イデオフォンが述部になっている際の構造を明らかにしておく必要があり、その基礎的な構造において、研究発表を行った。詳しい内容は、CSLIから出るJapanese/Korean Linguistics 27に掲載される予定である。
これに加えて、イデオフォンとは擬音語・擬声語・擬態語を代表とする音象徴の機能を持つ語彙素であり、通言語的にも引用表現(日本語では「と」)と共に使用される傾向があるということが知られている。「と」の有無によって、どのような意味上の効果があるのかということをdemonstration functionを利用して記述する研究も進めており、これはCLS 56で発表する予定であったが、キャンセルになってしまった。ただし、論文集は発行される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
それなりに順調であったが、「研究実績の概要」でも述べたとおり、イデオフォンにおける類像性をとくに「と」の有無に注目して研究発表する予定であったCLS 56がコロナウィルス蔓延のためにキャンセルになってしまったのが遅れの原因である。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度の夏にイギリスに行く予定であったが、コロナウィルス蔓延のためにどうなるかが不確定である。行けなくなった場合、データの整理や研究書の収集など地道に活動することにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
元々、2020年4月末にシカゴ出張が入る予定であり、それに備えていたが、キャンセルになったため見通しが立っていない。2020年度は、夏にイギリスに出張に行く予定であるが、現在のところ、見通しが立っていないのが実情である。
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